先月、2回にわたり長野県長野市へ出張治療に行きました。
長野市は鍼灸の修行で4年間過ごした地です。
その当時治療をさせて頂いていた患者さんから緊急の連絡をもらい、長野まで出張治療へ行くことになりました。
市の健診で撮影した胸部レントゲン
患者さんは77歳の女性です。
今年の6月上旬に、毎年受ける市の健診を受けに行きました。
3年ぶりに胸部レントゲンを撮影したところ、
肺の部分に影があると言われました。
以前のレントゲンと比較すると、3年前は何もうつってなかった・・とのことでした。
そして、3週間後にCTで詳しく検査をすることになりました。
6年前に夫が肺がんになり死別
「肺に影」と言われた時に、真っ先に頭をよぎったのが夫のことだったそうです。
夫を末期の肺がんで亡くされており、闘病中の苦しそうな様子を思い出しました。
まだ精密検査をしているわけではないですし、この患者さんはがんに対してしっかりした考えを持っている方です。
それでも、「肺、と言われるとどうしても不安になってしまう」とおっしゃられていました。
息子さんから、出張治療を希望する連絡
気に病む母親を心配して、息子さんから私のところに連絡がありました。
免疫力を高めるには鍼灸治療しかない！長野まで来てほしい！
という熱い要望もあり、がんとまだ病院で診断されているわけではありませんが、一度治療に行かせて頂くことにしました。
1回目の出張治療
連絡をもらった週末に、日帰りで長野に行きました。
片道7時間かかるので、始発で出発して到着する頃にはお昼になっていました。
駅で待っていた息子さんに連れられ御宅へ伺いました。
過労と免疫低下
治療に入り、患者さんの身体を診させて頂きました。
脈・舌など診たところ、一番気になったのは免疫低下でした。
103歳（！）の義母の介護で睡眠不足なこともあり、かなり疲労も蓄積している様子でした。
まずはしっかり疲れが取ることが必要だと判断し、疲労回復の治療を行うことにしました。
内臓機能を活性化させる鍼をし、整体で全身の筋肉をほぐしました。
『肺の影』ということでしたが、
脈など総合的に診たところ肺にはあまり反応がありません。
それを患者さんに伝えたところ、少し安心された様でした。
2回目の出張治療
1回目の治療から1週間後に2回目の出張治療に行きました。
今回も日帰りです笑。
介護の疲れと仕事のストレス
前回の治療時に比べて免疫力は上がっているように感じましたが、疲労はまだまだ蓄積しています。
話を伺うと、患者さんの義母が夜寝られなくて、起こされてしまうため寝不足だったようです。
それと患者さんは賞状を書く等、書道の仕事をしています。
現在大きな仕事を依頼されているため「それを終えるまでは気が抜けない」と言っていました。
治療は、鍼灸による内臓への治療と、仕事からくる目・腕の疲れの回復の治療を行いました。
翌週はCTによる検査です。
検査で病院に行くのも疲れが出ると思いましたので、体力をつけてもらうことも意識して治療をしておきました。
CT検査の結果
2回目の治療の翌週がCTによる検査でした。
患者さんからの電話で、私にも結果を教えて頂きました。
炎症性を疑うが断定できず
病院からの説明は以下の通りでした。
「右肺（右下葉内側）に小結節（しこり）あり。4mm大。炎症性を疑いますが、断定はできません。経過観察にて変化を見てください。」
結果として、はっきりとした答えは出ず、
今後の予定として１年後に再度検査をすることになりました。
患者さんも、緊急性のあるものではなかったので一安心されていました。
がんと免疫
鍼灸の治療も一区切りとさせて頂きましたが、
免疫力を下げないためにも、今後も定期的に鍼灸をしていった方がいいので季節の変わり目など節目で出張治療をさせて頂くことにしました。
がんは免疫の病気でもあります。
免疫力が下がるとがんのリスクも高まります。
どうしても生活の中で疲労は蓄積していくと思いますが、定期的に鍼灸治療をすることで回復力を高めていけたらと思います。
一般的な鍼灸治療では、肩こりや腰痛など主訴を治療するのがメインだと思いますが、
悠心堂ではそれだけではなく免疫力など身体の持っている本来の力を活性化させることを何よりも大切にしています。
その信念が伝わって、長野から呼んでもらえたのだと思います。
私も今回の出張治療は、本当に勉強になりました。
患者さんと接することが一番の学びです。
成長して、さらにたくさんの患者さんを治療していくことが私の目標です。
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広島県呉市川尻町の鍼灸院・整体院【悠心堂】でした。
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