〈不妊の鍼灸治療〉-カラダの土台づくり-

東洋医学は不妊に有効か

不妊の原因は様々あり、その多くは原因不明と言われています。
統計により、年齢との相関関係があるとのデータは示されています。
しかし、年齢にかかわらず不妊になるケースはあるため、個々人の体質によるところが大きいと思われます。

東洋医学は、ひとりひとりに合わせた治療を行うという特徴があります。

また、体質改善という根本的な治療を得意としています。

治療において一番の土台になる部分を作ることになるため、その他の治療をしている方も積極的に併用すると良いでしょう。

不妊症に対する鍼灸治療の期間

どれくらい通えばいいの？という問い合わせをよく受けます。

鍼灸治療により、染色体異常を減らせるかは今後研究していかなければならない課題ですが、豊富な栄養を持つ卵子を作っていくことは可能だと考えております。それは様々な論文や先駆的に不妊鍼灸をされてきた先生方のデータを見ると明らかです。鍼灸治療に来院されて約3～4か月後に効果が見られる方が多くおられます。排卵される卵子は約120日前に準備を始めて少しずつ成長していきますが、この日にちと鍼灸の効果が現れる時期が重なります。卵子が成長を始める時期から、卵巣への血流を良くしてたくさん栄養を与えてやることで、胚盤胞まで成長ししっかり着床するまでの長旅を乗り越えてくれる卵子を作っていきます。

はる鍼灸治療院「不妊症・不育症の鍼灸治療」より引用

個人差があるためハッキリということはできませんが、統計では３～４か月で効果がみられることが多いようです。
もちろん1回の治療で効果がある場合もあれば、1年以上継続した結果効果が表れることもあります。

1度の鍼灸治療でも直後効果として血流の改善などがみられますが、身体の細胞が成長するにはある程度時間がかかります。

不妊の原因

不妊治療に実際取り組むとなると、男性より女性が積極的に動くことが多いようです。
しかし病院で検査した結果、男性が原因の場合と女性が原因の場合は１：１の割合だと言われています。

これは臨床上の私の経験ですが、実際はどちらが原因ということよりも、お互いが影響を受け合っています。
そのため、鍼灸治療もカップルで受けると成功率はあがります。

次に男女別で不妊の原因と大まかな治療の方針を説明します。

男性の場合-酸化ストレスと疲労の改善-

不妊の患者さんの特徴として、多くは疲労が回復できない状態となっています。
疲労が蓄積し体が酸化していて、正常な細胞分裂が阻害されている可能性があります。

鍼灸治療においては酸化ストレスを改善できるように施術を行います。
そして疲労を回復できる身体づくりをしていきます。

仕事など日々の生活が忙しいこともあると思いますが、休んだ時にしっかりと回復できることが重要です。

精子の運動率を改善する恥骨への鍼治療

下腹部から恥骨への鍼治療を行うことにより、男性機能の改善を行います。
鍼をするとズーンとする感じがします。
骨盤、前立腺などの各臓器の血流改善を狙います。

精子の運動率を高めることで、妊娠する確率を高めます。

サプリメントのメリット・デメリット

一般的に滋養強壮と言われるサプリメントも、代謝できない状態で摂取すると負担になるためあまり推奨はしません。
疲労が回復できないということは、栄養素を肝臓で分解する機能も落ちていると考えます。
東洋医学では「腎」が精気の源となります。腰部の腎に関連するツボにお灸をするのも有効です。